災害に強い家づくり「木造住宅と火災」
こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。
今年は元日に能登半島地方に大きな被害をもたらした地震があったこともあり、
多くの方が災害について改めて考えられているかと思います。
私たちにご相談いただくお客様も、
地震や家事に強い家というキーワードをお話しされる方が増えていると感じます。
一般に住宅の構造と言えば、「木造」か「鉄骨」と考えられるかと思います。
そのうち、木造は「火事に弱い」「燃えやすい」というイメージを持たれ、
逆に、鉄には炎を近づけても燃え上がることがないので、
火事のときも安心と考えている人が多いようです。
しかし、
意外かもしれませんが、
実は木造住宅は火事に強いと言われています。
「木造住宅は燃えやすい」というイメージは根強いものですが、
木造住宅には火事が起きたときに、燃えて崩れる(家が崩壊する)までの時間が
かなり長いという特性があります。
同じサイズの木と鉄に、住宅と同じような荷重をかけながら燃やすと、
鉄は5分後には強度が元の半分以下になります。
さらに10分後には元の強度の20%程度になり、
荷重によって曲がってしまいます。
しかし、木は10分間燃やし続けても表面が炭化するのみで、
内側までは燃えずに80%程度の高い強度をキープします。
燃えた木の表面が炭化すると、その部分がバリアのような役目を果たし、
内側の部分に炎によるダメージが届きにくくなるためです。
この性質のおかげで木は燃えても「一気に強度が下がる」
ということがないため、万が一の火事のときでも、避難のために
十分な時間をかけられます。
崩れ落ちる前に消火ができれば被害も最小限におさえることができます。
さらに、木造住宅は有毒ガスの発生量が比較的少ないです。
火災のときに、家が燃えることによって発生した有毒ガスが原因で、
意識喪失が起きる事故は多いものです。
一酸化炭素中毒などはその最たるものですね。
一酸化炭素のほかにも、塩化水素やアンモニアといった
意識喪失を引き起こす有毒ガスが発生します。
しかし、木造住宅の構造部分は自然素材(木)なので、
火災時の有毒ガスの発生を比較的おさえられます。
もちろん木が燃えることで一酸化炭素や二酸化炭素は発生しますが、
自然の素材である木材は、人工素材に比べると有毒ガスの発生量は
かなり少なく、火事が起きたときの意識喪失を防ぎやすいです。
ただし、注意しておきたいのが、木造住宅がいくら火事に
強いといっても、木材が炭化するほどの火事が起きてしまったら、
そのあと住み続けるのは難しいということです。
木造住宅のメリットはあくまで、火事が起きてから
家の耐久性が落ちて崩れ落ちるまでの時間が長く、
十分な避難時間を稼げる。
つまり、命を守る時間をつくりやすい。ということです。
これから家を建てるという人は、火事に強い構造の準耐火建築物を
設計建築するのがおすすめです。
また、火事に強い家を建てることに加えて、
火事に遭わないよう、火の取り扱いに十分気をつけることももちろん大切です。
日頃からの意識が最重要なのは当たり前ですね。
最近では火を使わないIH調理器具やオール電化の家も人気で、
リフォームなどの際にガスコンロをやめる方も増えております。
そして、家を建てるにあたって地域の人とコミュニケーションを
取ることも、もらい火や放火といったトラブルを防ぐことにつながります。
木造の家は、火事に遭ったときでも十分な強度を保ってくれるという
大きなメリットがあります。
さらに私たちは、先に書かせていただきました家事に強い構造の
「省令準耐火建築」を標準仕様とすることで、
皆様の命を守る家づくりを進めています!
ご相談、詳しくはぜひお問合せ下さいね。
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